









街の喧騒をすり抜け、築年数を重ねたマンションの一室へ。 90m2の広さと三方向の開口部という、光と風に恵まれたポテンシャルを活かし、家族の新たな物語を紡ぐためのフルリノベーションを行いました。
クライアントとの対話から導き出した住まいの軸は、「緑と共にある健やかな循環」。それは単に植物を置くことではなく、深呼吸したくなるような空気そのものをデザインすることでした。
自然素材が導く、健やかな空気の質 都市の真ん中で「呼吸する住まい」を実現するため、肌に触れる素材を徹底して吟味しています。ウール100%のカーペットで足元から伝わるやわらかな質感、天然由来の塗り壁で調湿機能を備え、室内の空気をフレッシュに保つ。
これらの自然素材が、光や風と相まって、住まい全体に心地よいリズムをもたらします。
「個」を分けない、共有という贅沢 共働きの夫婦と、育ち盛りのふたりの子どもたち。 あえて個室を設けず、住まいを「ひとつの大きな共有空間」として構成しました。
どこにいても家族の気配を感じられる一方で、広めのランドリールームやワークスペース、そして暮らしの真ん中にあるキッチン。それぞれの場所に役割と個性を与えることで、家族が自然と集い、あるいは適度な距離感で思い思いの時間を過ごせる設計を目指しました。
日常に灯る、静かなるコントラスト 空間構成はいたってシンプルですが、そこには意図的な「主役」を配しています。 独特の表情を持つキッチンや、ダイニングに浮かぶ大きなシャンデリア。
夕暮れ時、室内の植物が壁に長い影を落ス頃、子どもたちの「ただいま」の声が響きます。シャンデリアに灯がともり、食卓を囲む家族の表情がやさしく照らされる。
静かな余白の中に、確かな輝きが添えられた風景。 それこそが、この家がこれから長い時間をかけて育てていく、何気ない日常の価値そのものなのです。
山口県下関市 / 広さ90,25㎡ / 築年月2001年5月
リノベーション費用 2000-2500万